適切なお手入れ方法で革製品は長く愛用出来ます。 一口に革のお手入れ・クリーニングと言いましても、様々な革製品があり、当然ですが革の種類によってメンテナンス方法も様々です。 革はご存知の通り、動物の皮膚を加工したものです。 私達人間の肌をお手入れせずに ほっておくと、かさついたり、汚れたりしてどんどん細胞が老化していきますが、革製品も同じように定期的な お手入れをしなければ、劣化して、ひび割れや色褪せ等のトラブルの原因になります。 まずは普段のお手入れが重要ですが、なかなか忙しい毎日の中で、しょっちゅう出来るものでもないと思いますが、1~2か月に一度ぐらいは革の種類に合った専用のオイルやクリーナーを使って油分を補給してあげて ください。 上質な革であれば、お手入れさえ怠らなければ何十年でもご使用できます。 梅雨や夏場なら湿気によるカビの発生、冬場なら乾燥によるひび割れ等・・・
長く愛用していきたい革製品を お持ちでしたら、1年を通して絶えず気にかけてあげてください。
オイルやクリームを使ってのお手入れ方法 まずは革の種類に合ったオイルやクリームを必ず使ってください。 間違ったレザーケア溶剤を使ったり、間違った お手入れ方法は革が硬くなったり、シミや変色等のトラブルの原因になりますので注意してください。 オイルやクリームをご使用する前は必ず目立たない部分で革への悪影響がないか事前にテストを行ってから ご使用ください。 何もお手入れをしていなかった革やシリコン剤を含んだクリーナーを使用した革は、革の表面を 保護していた皮膜が無くなって しまっているはずですので、革が弱っている可能性があります。 オイルやクリームを革に塗る時は、柔らかい布を使って、薄く全体が均等に馴染むように伸ばしながら塗ります。 目の荒い繊維のもの(雑巾、タオル等)を使うと革を傷めたり、かえって汚れが付きやすくなる原因になります ので逆効果です。 十分に油分が浸透したら、表面に浮いた余分なオイルをよく拭き取ってください。 オイルが 固まって残っているとシミの原因になります。
革の種類と特徴 アニリンレザー・セミアニリンレザー | 識別方法 | 染料で仕上げられた革。物によって加工の仕方は違います が、もっとも一般的なのは革の銀面(表面)にワックスを軽く散 布して質感を改善し、短期的な撥水効果処理がされている だけなので、デリケートな革です。 | 革の表面の目立たない部分に軽く爪を立てて 擦り、引っかきキズが出来るかどうか見ます。出 来たキズの色が本来の革の色よりも明るい色 であれば、アニリン系レザーの可能性が高いです。 |
ピグメント(プロテクト)レザー | 識別方法 | 染料を革の内部に浸透させて革の外見や色合いが均一に なるように加工された革。革の表面の耐久性を高くするため にウレタン加工がされています。革本来の柔らかさや質感・吸 放性等は劣ります。アニリン系レザーに比べて丈夫で、ある程度 の撥水効果もあります。 | 同様に革の目立たない部分に軽く爪を立てて 擦り、引っかきキズが出来るかどうか見ます。 プロテクトレザーの場合はキズが付きません。 |
ヌメ革(ナチュラル) | 識別方法 | 植物から抽出されたタンニンで鞣した革。革の銀面(表面)に仕 上げがされていないため、キズや色むらが隠せないので良質 な革を使用しています。使い込むと飴色になり、革本来の風 合いが出てくるのが特徴。 | 非常に雨、水に弱く一度染み込むと変色して 落ちません。アニリンレザー同様軽く爪を立てて擦 ると引っかきキズが出来ます。真新しい革の色 は薄いベージュ色をしています。 |
スウェード・ヌバック | 識別方法 | おもに羊、豚革の裏革をサンドペーパー掛けしたものがスウェード 。一般的にバックスキンと言われることが多いですが、正式には 羊、豚革の裏革を加工したものを指します。 アニリンレザーの銀面(表面)をサンドペーパーで隆起させ、ベルベット に似た質感、肌触りがあるものをヌバックと言います。 いずれもサンドペーパーで表面を毛羽立たせている為、吸湿性 が高い革です。 | 表面にキメ細かい繊維があり、指先で表面を 撫でてみると撫でた部分に指の跡が残りま す。指先に水滴を付けて、革の表面を擦り、 表面が黒ずんで、乾いても擦った部分がその 周りと比べて濃くなります。 |
以下のお手入れ方法は革を傷める原因です 1 乾拭き | 乾いた布で拭くと汚れを革のシワの中に押し込みテカリの原因になります。 表面に付いたチリやホコリは、染みの原因になりますので、こまめに掃除機 で吸いとってください。 | 2 水またはお湯拭き | 水道水にも不純物が含まれているため、革に浸透すると革が硬くなります。 更にお湯を使いますと革に浸透するスピードが速くなります。表面に付いた 汚れや染みは水またはお湯と一緒に革の奥へ浸透していきます。 | 3 中性洗剤を薄めて拭き取り | 汚れは落とせる可能性はありますが、革が硬くなる可能性があります。 | 4 科学雑巾による拭き取り | 科学雑巾は布に薬剤(油分)を染み込ませてあります。便利でホコリはよく とれますが、革の汚れは除去出来ません。薬剤が革に染み込むと汚れが 付きやすくなります。 | 5 牛乳で拭き取り | 牛乳で拭くと革にツヤが出るため、牛乳は革製品に良いと言われています が、これは間違いで、牛乳に含まれる「カゼイン」という成分が革の表面を硬く します。ひどい症状になるとひび割れが生じます。また密閉された湿度の高 い場所で保管すると、カビの原因になります。 | 6 ハンドクリームを塗る | 人の皮膚には潤いを与えてくれるハンドクリームですが、革製品に使用すると 油染みの原因になります。革を変色させたり、色はげの原因にもなるので 絶対に使用しないでください。ハンドクリームに含まれる多くの油分は革の劣化 を促進します。 | 7 ミンクオイルを塗る | ミンクオイルは、登山靴や野球のグローブの様な革本来の硬さを柔らかくして 足や手に馴染みやすくするために開発された油ですので、通常の硬さの 革製品に使用すると革が伸びるため型崩れの原因になります。また油染み が生じて革の色が濃く変色したり、べたつきの原因にもなります。 |
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